恋をしよう!
まさかとは思いますけれど、わたしと古川くんが一緒にいたところを誰か見た人がいるんですか?

誰か見て聞いた人がいたから、この騒動ですか?

「千秋ちゃん、ちょっと…」

わたしは千秋ちゃんに耳を貸すように言った。

千秋ちゃんは訳がわからないと言う顔をすると、自分の耳をわたしの前に寄せた。

「それは、ウソなんだ」

ヒソヒソ声で言ったわたしに、
「ええっ!?」

千秋ちゃんは大きな声を出して驚いた。

「ちょっと、もう!」

そのせいでクラスメイトの視線がわたしたちに集中してしまった。

「ああ、ごめん…。

場所変えようか?」

わたしは首を縦に振ってうなずくと、千秋ちゃんと一緒に教室を後にした。
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