恋をしよう！
千秋ちゃんと一緒に空き教室に入ると、
「それで、好きな人がいるって言うのはウソってどう言うことなの？」

早速千秋ちゃんが聞いてきた。

さすがに先生のことを話す訳にはいかない。

この騒動のせいで先生に気持ちが伝わってしまうのは嫌だし、先生に迷惑をかけたくない。

「告白されるのが嫌になったから、ウソついたの」

わたしは言った。

「本当に誰ともつきあう気はないし…それに、わたしたちは受験生じゃない。

推薦で大学を狙ってるから、受験が終わるまでは勉強に集中したいから、それで好きな人がいるってウソついちゃったの」

我ながらよくウソをつけたなと思った。

受験生だとか推薦で狙ってるとか、利用するものを利用しているなと自分でも思った。

ごめんね、千秋ちゃん。

親友だって思ってるけど、わたしのせいで先生に迷惑をかけたくないからウソをついてごめんね。
< 76 / 438 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop