僕らの進む道





後から榊さんに聞いた話だと




「彼氏さんがね、私の家まで来たの

最初は今さら会えないと思って

門前払いをしたけど

懲りずに3ヶ月通われて

こっちも折れて話をすることしたの


《凛と会って話をしてあげてくれ!》


《あいつを過去から進ませてやりたい》


って言われたの

私はあなたが私にあったら

あの事を思い出すんじゃないかって

また嫌な思いさせないか?

って言ったのに


《大丈夫!凛はそんなに弱くない》


《向き合う準備は出来てる》


って言ってたな

それで会う決心をした

あの時来てくれなかったら私は進めないまま、

あなたとまたこうしてバスケをする事なかったわ

本当に感謝してるあなたとあなたの彼氏さんには

ありがとうね」



放たれたボール綺麗なカーブを描いてゴールに引き込まれ


シュッ


と音をたてた



榊さんのシュートホームは綺麗で中学の頃からの憧れ



思わず『綺麗…』と呟いた



それが聞こえたのか榊さんは




「ありがとうね」



と笑顔で言った













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