ノーティーアップル


時計を見ると19時過ぎ。

繁忙期も落ち着いて、今日やるべき仕事は全て片付いたし、早めに帰ろうと席を立った。


一瞬彼女の視線を感じたが、気にせずにオフィスをでる。

気がついたら随分秋らしくなってしまっていて、時間の早さに焦ってしまう。

もう来週あたりにはコートをおろそうかなんてことを考えていたら携帯が震えた。

ポップアップを見ると山下りこの名前。


「凪くん私のこと見過ぎだから。というか金曜日なのに帰るの早くない?暇ならご飯行こうよ」


毎度毎度彼女からの連絡はこんな感じ。
いつもだったら二つ返事で答えるとこだけど…


「ごめん。今日は先約あり。また今度声かけるね」


ちょっとそっけないかなと思いながらメッセージを返した。


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