ノーティーアップル
仕事について、他の同級生について、趣味について。
そんなことを話しながら、ビールを4杯くらい飲んだ頃。
時計を見ると23時過ぎ。
お喋りな永井のおかげで、時間が経つのは思いの外はやかった。
そろそろお開きかな、帰り道は永井と同じ方向だからなんでこんなことになったのか責めてやろうなんて思っていたんだが…
「あ、ごめん私そろそろ終電だから帰らなきゃ。みんなはまだあるでしょ?お先に失礼するね、楽しんで」
青木がそう言ってお札を数枚テーブルの上に置いて立ち上がった。
「え、俺らもそろそろ出るよ」
あわててそう言うと永井がテーブルの下で自分の脚を叩いた。
「俺らが会計済ませとくから凪、送ってって」
おいおいおい、気まずさを一番理解してるのはお前じゃないのか!
心の中ではツッコミをいれつつ、断るわけにもいかないので自分も彼女に合わせて席を立った。
「駅まで一緒に行こうか」
彼女の荷物を持って、居酒屋を出た。