ノーティーアップル


返す言葉を探していると、タイミングよくバーテンダーが彼女の前に飲み物を差し出した。

「こちらがnaughty appleです。お口に合うといいんですけど。
あとはビールですね。ごゆっくりどうぞ」

細いグラスには綺麗な飴色の液体が注がれて、花のように細く切られりんごが浮かんでいる。

彼女が目を輝かせてグラスを手にとった。

「わーかわいい!飲もう飲もう、はーい今日もお疲れ様」

彼女がグラスを差し出す。少し遠慮気味に自分のグラスをぶつけた。

一口カクテルを口に含んだか含まないかのタイミングで、彼女が目をさらに大きくした。

「わ、美味しい!お兄さん美味しいです。」

それを聞いてバーテンダーは満足そうに微笑んでいた。

< 6 / 45 >

この作品をシェア

pagetop