ノーティーアップル
「凪くんは?彼女とかいないの?」
「しばらくいないし、今は特別欲しいとも思わないなー。仕事もそこそこ忙しいし」
「ふーん。じゃあそれなりに遊んでるとか?」
これって挑発されてるのか…?
「いや、別に女遊びは激しくないけど。お酒の勢いで…ってことも最近はないなー」
極力落ち着いている男を演じてみた。少し強がっているのも彼女にはお見通しなのだろうか。
「えー、凪くん普通にかっこいいのにそんなんじゃもったいないよ。結婚したら遊べなくなるんだから」
そんなことを言いながら白々しく脚を組み替える彼女。
どうされたいんだこの女は。少し腹立たしくなってくる。
「別にそこまで女性に飢えてはないけど」
負けじと返してみた。
口を尖らせてあからさまに面白くなさそうな顔をされた。
「あ、私終電そろそろだ」
と思ったら次の瞬間そんなことを言い出したから、気持ちだけ椅子から転げ落ちた。
「どうしよっか。そっちはまだ大丈夫なの?」
声が裏返りそうなのを我慢して口を開く。
「うちはここから歩いて帰れなくもないから、大丈夫」
「ふーん…凪くんはどうしたい?まだ全然話し足りない?」
自由奔放すぎてもうお手上げかもしれない。