恋を届けるサンタクロースvol.2~美由紀~
 赤くなった頬を隠すように両手をあてたら、沖島さんが言った。

「東さんがいいんです」

 私はびっくりして沖島さんを見た。彼はまっすぐ遠くを見ている。

「俺、普段はこんなこと言わないんですけど……って言っても信用してもらえないかもしれませんけど……東さんにはまた会いたい、東さんとの関係を今日だけで終わらせたくない。東さんの笑顔を見たときにそう思いました。ご迷惑……でしょうか」

 沖島さんが足を止めて私を見た。

「め、迷惑なんかじゃないです。私……今日、沖島さんのおかげで笑顔になれて、うれしくて……沖島さんの笑顔をまた見たいなって思ってたんです」
「ホントですか!? ありがとうございます!」

 沖島さんの顔がパッと輝いた。

「あ、でも、まずはお友達からで……」

 私の言葉に沖島さんが笑顔で頷く。

「もちろんです。それじゃ、送りますね」
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