恋を届けるサンタクロースvol.2~美由紀~
沖島さんが促すように歩き始めた。ほどなくして商店街が見えてくる。鶏肉店の店長さんはさすがにもう帰ったよね、と思って店の方を見た。その瞬間、我が目を疑った。だって、あるはずの鶏肉店がないのだ! 薬局と総菜店の間にあったはずなのに、そこはシャッターが下りていて『空き店舗』の看板が出ている。
「ええっ!?」
私の声に沖島さんが私を見た。お店がないんです、と私が言おうとしたとき、私たちの間に白いものがふわりと落ちてきた。
「あ、雪ですね」
沖島さんが言った。
「ホントですね。ホワイトクリスマスになりましたね」
「俺の手、あったかいですよ」
沖島さんがすっと手を差し出した。ふわりとした笑顔に胸をくすぐられて、私は彼の手に自分の手を重ねた。キュッと握ってくれた手が大きくて温かくて、ドキドキするのに安心させてくれる。
「寒くなりそうですね。風邪を引かないように気をつけてくださいね」
「沖島さんもですよ」
「はい。行きましょうか」
沖島さんに手を引かれて歩き出したとき、あの店長さんの笑い声が聞こえたような気がした。
【了】
「ええっ!?」
私の声に沖島さんが私を見た。お店がないんです、と私が言おうとしたとき、私たちの間に白いものがふわりと落ちてきた。
「あ、雪ですね」
沖島さんが言った。
「ホントですね。ホワイトクリスマスになりましたね」
「俺の手、あったかいですよ」
沖島さんがすっと手を差し出した。ふわりとした笑顔に胸をくすぐられて、私は彼の手に自分の手を重ねた。キュッと握ってくれた手が大きくて温かくて、ドキドキするのに安心させてくれる。
「寒くなりそうですね。風邪を引かないように気をつけてくださいね」
「沖島さんもですよ」
「はい。行きましょうか」
沖島さんに手を引かれて歩き出したとき、あの店長さんの笑い声が聞こえたような気がした。
【了】