恋を届けるサンタクロースvol.2~美由紀~
「じゃ、東さん、ちょっとこっち来て手伝って」
店長さんに言われて、私は彼に続いて店の奥の大きな冷蔵庫に向かった。店長さんが冷蔵庫からチキンを取り出し、この店秘伝(と彼が言っている)スパイス類をかけて揉み込み始める。
「ところで、東さんはサンタクロースにどんな願い事をしたんだい?」
店長さんに訊かれて、私は首を傾げる。
「サンタクロースにですか……」
信じてたら欲しいものを届けてくれるって子どもの頃は信じてた。
「もう一度信じてみようかな……」
「なにか欲しいものがあるの?」
「欲しいものっていうか……私の勝手なお願い事です」
「どんなこと?」
店長さんに訊かれて、私は視線を足もとに落としながら言う。
「笑顔に……なりたいなって……。この三ヵ月、笑えてない気がするから……」
敦紀に振られて、失業して……それ以来、笑えなくなった気がする。
「そうだねぇ。この国では『笑う門には福来たる』って言うもんねぇ」
店長さんは忙しそうに手を動かしていたが、味を馴染ませたチキンをタッパーに入れ始めた。
店長さんに言われて、私は彼に続いて店の奥の大きな冷蔵庫に向かった。店長さんが冷蔵庫からチキンを取り出し、この店秘伝(と彼が言っている)スパイス類をかけて揉み込み始める。
「ところで、東さんはサンタクロースにどんな願い事をしたんだい?」
店長さんに訊かれて、私は首を傾げる。
「サンタクロースにですか……」
信じてたら欲しいものを届けてくれるって子どもの頃は信じてた。
「もう一度信じてみようかな……」
「なにか欲しいものがあるの?」
「欲しいものっていうか……私の勝手なお願い事です」
「どんなこと?」
店長さんに訊かれて、私は視線を足もとに落としながら言う。
「笑顔に……なりたいなって……。この三ヵ月、笑えてない気がするから……」
敦紀に振られて、失業して……それ以来、笑えなくなった気がする。
「そうだねぇ。この国では『笑う門には福来たる』って言うもんねぇ」
店長さんは忙しそうに手を動かしていたが、味を馴染ませたチキンをタッパーに入れ始めた。