ふんわり系男子が考えてること。
『はぁはぁっ』
木陰に身を隠して
2人の様子を伺う。
あの女の子は隣のクラスの子??
ここでなにをするんだろう。
『ももっ、なに勝手に
どっか行ってんだよっ』
振り向くとすぐ後ろに
遼くんが。
そうだった、遼くん置いてきてしまったんだ‥‥
『わ!びっくりした!あ、ごめんね
ちょっと気になって‥‥』
『どっち?男の方が?』
『うんっ、あの人が今、観察中の彼方くんっ』
『お前、まだ観察やってんのかよ!』
『し!!声、大きい!!』
視線を戻すと
女の子が彼方くんの制服を
可愛く掴んでなにやら喋っている。
『蓬原くん!私、蓬原くんが
好きなの!!大好きなの!』
‥‥え。
こ、こ、告白!?
女の子はきらきらした目で
彼方くんを見つめている。
とっても情熱的!!
(ももにはこう見えている)
『やっべぇ。あの女、
ドラマか少女マンガの読みすぎだろっ』
女の方、きもい演出しやがって
男がめっちゃ引いてるのに
気づいてねーのか??
(遼にはこう見えている)
『すっごい!!あの子!!
つぎはあの子を観察したい!!』
『は、はぁ???あ、男が返事してる』
遼くんの声にまた集中して
2人の行き先を見守った。
『ごめん。俺、気になってる人いるんだ』
『ええええええええ!!!!!』
『ちょ!もも!お前、声!!』
遼くんに口を手でおさえられたけど
もう遅い。
『だれ!?そこに隠れてる人!!』
情熱的な女の子がこっちに来て
怒ってた。