ふんわり系男子が考えてること。




『彼方くんだっけ?
ももといつも仲良くしてくれて
ありがとう。』



『え?‥‥いや、うん。』




俺はももが先にあっちに
行ったのを確認すると


残された彼方という男に
歩み寄った。




『あと今 ももが観察してる人だよね。
ごめんな、あいつ昔っからそうなんだよ。』



『いえいえ、俺も ももといれて
楽しいから謝らないで。』




甘い髪色をして甘い顔をして
澪とはちがう。


澪はもっともっと男らしい。




だから、


悪いけど澪とももを邪魔する奴は
許さない。




『でも安心して。あいつ観察対象の奴に
惚れたりしないから。今までだって
そう。ももはお前に飽きたら、すぐに
うろつかなくなるよ。』




たった一時期のももの観察対象者だけど
油断はできない。


隙ばっかのももに万が一
手でも出されたら困るからな。




でもこれだけ言えば分かってくれるだろ。





俺はそう思って男の顔を見た。



‥‥あれ?
俺の予想とは反対に
男は変わらず微笑んでる。



なんで??なんでこんなに余裕そうなんだよ?



そしたら男は優しい笑顔のまま
口を開いた。



『‥‥ふふっ。経験なんて
なんの根拠もないよ。じゃあね。
ももをよろしく。』



男は俺が話す始めっから終わりまで
ずっと余裕そうに微笑んでいた。



なに企んでんだよ??



しかもよろしくって
まるでお前の者みたいに言いやがって。



あいつは澪のだ。





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