ふんわり系男子が考えてること。






『あ!いたいた!どうしたの?』




佐藤くんに呼び出されて
私は屋上に上がった。



ここ寒いからあんまり来たくないけど‥‥
え?てゆか、雨降ってない?



『こっち!』


佐藤くんは雨に濡れながら
屋上の手すりに寄りかかって
手招きしてる。



私は小走りになって佐藤くんの
隣に立った。



『あ、雨降ってるよ!?』



これじゃ、二人共風邪ひいちゃう。


でも佐藤くんはいつものスポーツマンっぽい
笑顔から急に真剣な表情になった。




『もしかして、元カレと寄り戻るの?』


‥‥?どうして佐藤くんが??



『や、わかんない。』


『あのさ、こんなこと俺が言ったら
怒られるかもだけど、寄り戻さないで!』


『え!!!?』



なんだ、なんだ!!?


びっくりしちゃったよ!!?




『いやおかしいよね、うん。
えと、要するに彼方と一緒にいてほしいって
こと‥‥かな??そう、そうなんだよ』



‥‥彼方くんと一緒に??



『一緒にいるよ!こないだも
一緒にカフェに行ったし!』



『ん?うん、そうじゃなくって、、
まあ、そうか?えーと、、あ!虹!!』



『え!!どこどこどこ??
わー!!ほんとだーーー!!』




なんと空にははっきりとした
虹が現れていた。



綺麗!!



いつの間にか雨は止んでたけど
なんで雨降ってるのにここに呼んだんだろ‥‥



しかもそれを虹に変えちゃうなんて
佐藤くん、いろいろすごいな〜



次の観察は佐藤くんにしよっかな、
いや昨日彼方くんに告白してた女の子も
観察しがいがありそう。




『あのさ、ももちゃん』


『ん!?うん??』


『あいつ知れば知るほど面白いから
ずっと見ててあげてね』


『もちろん!!』




今の私にはこう答えるしかない。
満足するまで‥‥だけど。





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