ふんわり系男子が考えてること。
『じゃあ、帰ろっかな〜』
細かい当番を決め終わって
みんなどんどん帰っていく。
私はカバンの中に教科書を
入れると、
席をたった。
『‥‥もも?帰るの?』
帰る途中にまだ当番同士で話し合ってる
彼方くんが話しかけてきた。
まあ彼方くんの事だから
ちゃんと話し合ってるかは謎だけど‥‥。
『うんっばいばいっ』
私は今日もごちそうさまでしたっと
気持ちを込めて手を振ると
ばしっ
彼方くんがその手を掴んだ。
『‥‥‥‥?? 彼方くん??』
新しい遊びかな??
でもそうじゃないみたい。
だって彼方くん、
いつもみたいに優しく微笑まないもん。
『‥‥行かないで。』
そしたらその表情のまま
彼方くんが呟いた。
こんな彼方くん、初めて見た。
てか、
‥‥行かないで??って、
あ、もしかして澪くんのとこに??
『どうして??』
もしかしてその近くでひどい事故が
あったとか??
‥‥じゃないと、彼方くんが
とめるわけがわかんない。
『行って欲しくない。ただそれだけ。』
そういえば、佐藤くんも
より戻さないでって言ってきた。
『‥‥わかった、今日は』
プルルルルルルル
私が喋ってる途中に
ポッケの中のスマホが鳴った。
『‥‥‥‥澪くんだ。』
私は目の前に彼方くんがいるのにも
関わらず、
久しぶりの澪くんからの電話に
すぐに出た。
『もしもしっ澪くん??』
『‥‥おそい。ずっと待ってるんだけど』
どきんどきん
澪くん‥‥////
『ごめん!文化祭の当番決めが
あったから!今すぐ行くね!』
私はそれだけ言うとすぐに電話をきり、
『ごめん!彼方くん!澪くん
待ってるから行くね!!』
私は彼方くんが掴んでた手を
サラッと解いて
教室を飛び出した。
『もも‥‥!!待って!!!!』
彼方くんが伸ばした手が私を
掴むことはなかった。