真夏の恋便り
「悠斗くーんっ、待って、待って!!」


追い掛けてきた楓ちゃん。


暑い中、息を切らして。


俺なんかを追って来たの??



「どうしたの?二人で出かけるんじゃないの?」


ふてくされて言った。


「えっ?…勘違いしてるみたいだから、ハッキリ言いますっ」


「えっ…」





「私っ、悠斗君が好きです」





ミーンミーンと蝉の鳴く声。


飛行機が通り過ぎる音。


すれ違う人の足音と話し声。


……全ての音が交じって、微かに聞こえた。





『私っ、悠斗君が好きです』





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