☆Friend&ship☆-妖精の探し人-
「…アクアさ…アクア」
「あ、セレにぃさん!!聞いて下さいウィングさんが…」
「アイスは何が好きか」
「アイス!アイス全部好きです!!えっとえっと…特にクッキー!!」
セレンは黙ってうなずいて、キッチンの方にあるいていく。
促されるでもなくアクアもそれに続いた。
「セレにぃは何アイス好きですか?」
「…アイスは食べない」
「そうなんです?アイス美味しいですよ!」
「…そう」
呟いてセレンはバケツを取り出し蓋を開けた。
アクアは向かいのカウンターに座り足をぶらぶらさせている。
「たくさん欲しいか」
「えっと…んーちょっとでいいです。ごはん食べられなくなっちゃいますし…えへ、ちょっと太っちゃうかもだし」
「…」
アイスにスコップを差し込み、シュポンと引き抜くとカップの中に落とす。
三度ほど繰り返した後、スプーンを添えて差し出されたそれに、アクアは顔を輝かせて飛びついた。
「おいしぃぃぃ!!!」
「…それはよかった。もっと食べて太れ。細すぎる、そんなんだから身長が伸びないんだ」
「えー、やですよ太ったら。お兄ちゃんに呆れられちゃうかもですし。ジュエル様もしかして面食いだったらどうするんですか」
「面食いなら問題ないだろう、お前ほどの美少女はなかなかいない」
セレンはさらっとそう言いつつ、アクアをじっと見つめた。
「夕飯は何がいい」
「うーん…なんでもいいです、選べるほどレパートリーがないというか。新しいものに挑戦してみたいんです!!」
「…じゃあステーキだな。一人300gがノルマだから」
「えぇぇぇぇ!?ちょっと待ってください!!」
「サラダは食べたかったら作る、ドレッシングはなし、味付けはシンプルに岩塩」
「嫌です嫌です野菜嫌いー」
「…アクア」
セレンはアクアを見つめて、こてんと首をかしげて恐ろし気に言い放った。
「サラダたべたらノルマ100gまで減らしてやる」
「…うーうー」
アクアはアイスを放りだして真剣に悩み始めた。
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…うぅ…セレにぃ」
「…」
「食べる、食べますからぁ…」
減らしてください、と瞳を潤ませそう言った。