☆Friend&ship☆-妖精の探し人-
「はぁ、はぁ、はぁ…」
既に涎を垂らして舌なめずりをしているへリオ。
牛肉A5ランクを超える最高級の“竜肉”の、更に希少な腹部最中央部。
10g単位でソースの材料として販売されるそれを、贅沢にもステーキで。
まあでもそれは山と積まれた分厚いステーキの半分だけだ。
しかし残りも竜肉の腹部には変わりないのだから、この一食で一体何千万という食費がかかっているのだろうか。
「セレン、俺レアでいい、激激レアでいいから食べたい…」
「…あと30秒」
七つのフライパンを操りつつ、セレンはそう言った。
言葉通り30秒後にはナイフとフォークが並べられ、へリオはすぐに飛びついた。
「…」
男子に限っては例外はセレンだけで、他は全員一言も話さず食べている。
アクアは軽く気圧され、半歩引いていた。
「どうした、お前も食べろ」
「わ、私にあの戦場に飛び込めとおっしゃいますか!?」
「敬語、別に使わなくていい。それと…あれらだが慣れろ」
「む、無理ですうっ!!」
一食くらい抜きますとしり込みするアクアを、セレンは強引にテーブルまで引っ張っていき座らせた。
「さぁ食べろ」
「せ、セレにぃは食べないんですか?」
「…肉は好きじゃなくて」
セレンはそう言って踵を返し、既に空になったへリオの皿を回収した。
「セレレンまさか食べねーわけじゃねーよな?」
「…」
強引に座らされた。