☆Friend&ship☆-妖精の探し人-
「でもさ、似合ってたぜメイド服」
全然違和感ないし、とそう悪気のないヘリオの一言に、セレンは耳を塞いだ。
「…言わないで、言わないで…」
「…ごめん」
お前、なんでそんなに言われるのやなの、と軽く勘ぐってみたが、セレンは無表情に黙っていた。
「あれか、もしかしてセレンっていう名前が女っぽいから?だから毎度のようにビキニだのバニーガールだのの格好をさせられてるの?」
「…」
「ごめんごめんいじめる気はなかった!でも似合ってた!うん!あ、ちが、ビキニはあってなかったけどまあ結構あれはあれで…おい待てってごめんったら!」
「…キングより悪質」
「うん、それは止めてかなり傷つくからマジで」
一人でずんずん歩き出したセレンを慌てて追いながらヘリオは言った。
「男の子って誰だ」
「あぁ、わかんね。自分ではスイムって名乗ってるけど、確認は例のごとく取れない」
「…」
「ちっこいよ、そのわりにしっかりしてるけどさ」
お前子供好きなんだから良かったんじゃ、とヘリオが言うと、セレンはコテンと首を垂れた。
「…キングに言わないでくださいお願いします」
「…え?は?」
「今度はランドセルを背負わされる気がするんだ」
「…あ、そう…」
セレンとしては結構切実なところだったのだろうが、残念ながら無表情のせいで真剣さが全く伝わらなかった。