☆Friend&ship☆-妖精の探し人-
「なにしてんの、セレン」
コツン、コツンと規則的な音が鳴る。
「見ての通り」
飛行機をやってのけて、ウィングに手に持っていたけんを差し出しながらセレンは言った。
「けん玉だ」
「…お前本当に万能だよなぁ…」
「そうか」
今度はヨーヨーに糸を巻きつつセレンが言う。
パッと手を離すとヨーヨーは下に落ち、そして上ってくる。
糸をあやつって台形に広げ、グイとヘリオに見せる。
「どうだ、できてるか」
「うん」
セレンはそれで満足したようで、糸を巻きウィングに渡した。
「ヘリオに誉められた。やったー」
「思ってないなら言わなくていいぜセレン」
棒読み無表情のセレンにウィングはかたをすくめた。
「つか、何してたんだよ。こんなおもちゃでさ」
「いや、セレンにできないことを探してやろうと…」
「セレンは早食いできないぞ」
ウィングに、ヘリオがそういった。
「大食いならまあそこそこできるんだけどさ、速さはもう駄目。目玉焼きに30分」
「…だろうな」
「それ以前に物を噛んで食べるっていう概念がそもそもない。なんでも丸のみ」
一々チマチマ切ってるから遅いんだよとヘリオが言う。
セレンは駄目ですか、と無表情に聞いていた。
「いやさ、駄目とは言わねーよ俺も。でも生物として栄養を摂らないというのはどうかと思う…」
「…善処する」
ありゃ駄目だな、とウィングが言った。