☆Friend&ship☆-妖精の探し人-
「シルンお姉ちゃん、何してるの?」
「ん~?」
シルンはクルリと体を反転させつつ首をかしげる。
「何してるのぉ?」
「えっと…」
「あ、星空観察?」
スイムはそういって、キラキラした目でシルンを見つめる。
「え?」
「シルンお姉ちゃんろまんちっくだね!」
「ち、違うったら…」
「じゃあなに?」
シルンに、スイムは不思議そうに聞き返した。
「この辺、幽霊が出るんだって!」
「…ふぅん」
「もしかしたら会えるかもしれないでしょ!?」
「…シルンお姉ちゃんは…遭い…じゃない会いたいの?」
「もちろん!」
「…」
いや、この船には天使と悪魔がいるじゃないか、とスイムは思った。
全部同じ気がするけどな。
悪魔科幽霊結構いるよ?
幽閉された霊結構いるよシルンお姉ちゃん。
というか幽霊悪いやつなんだよ?
観光客がライオンに遭ったなみに駄目なやつだよ!?
スイムは夢も希望もだいぶ無くなってきた実際年齢17才なのでシルンの夢を壊さないように気を使った。
「…でもね、シルンお姉ちゃん。妖精のお姉ちゃんと遭ったときとっても大変だったんだよ?」
お姉ちゃん憑かれやすかったからとスイムはパタパタ手を動かして力説したが、そこはざんねんながら恋に恋するお年頃。
「でもいいの!」
と一蹴された。
「あーれー」
スイムは敗れた。
「ショボーン」
「もう、スイム可愛い」
落ち込んでいるとシルンがヒョイと持ち上げ、膝の上に置く。
「いやー!おーろーしーてー!」
「もー、照れなくていいのに」
「やぁー!」
飛び降りて、スイムはテトテト逃げ出した。
「スイムくん、ホント可愛い…」
ちなみに船のクルー達はスイムの実年齢なんて興味もなければ知りたくもないのだった。
「あれれー?お兄ちゃん」
「ちげーよ」
「うぃんにー」
甲板の前方まで逃げたところで、スイムはウィングを見つけた。
「ウィンナーみたいにいうなよ…つか、セレンが今ヤバイ」
「あれれー?ついにランドセル背負わされたのー?」
「ちげーよ。何期待してんだ変質ガキ。というか、いい加減認めろよ。お前小人だろ?」
「違うよーひどいよーうぃんにーがいじめる…って、セレンお兄ちゃんどうしたの?頭おかしくなったの!?」
「…そんな嬉しそうに言わなくてもいいだろスイム…セレン子供好きなんだぜ」
目を輝かせたスイムに、ウィングがドン引きする。
かまわず聞かせてとせがむスイムに、ウィングは口を開いた。
「あー…なんか、憑かれた」
「え、本当?」
「一応…は…そうだと思うぜ、うん」
「見せて見せて!」
スイムはピョコピョコしながらメインルームに飛び込んだ。