☆Friend&ship☆-妖精の探し人-
「ミィミィ」
「もはや別の生き物に見えてきたんだけどな、俺…」
「気持ち分かるよヘリオ…僕もこのまま育てていきたくなってきた」
「その前に霊って成長すんの?」
「しないと思うようぃにー」
「おい別人じゃねーか。誰だよウィニー」
そこへ、キングが現れた。
ミィミィ鳴いているセレンを何気なく引き寄せて守りながら、ヘリオは顔をあげる。
「ああ、キング」
「何でミィミィ言ってるんだよ?変な薬やったの?」
「…霊にとりつかれた」
「え、霊ってあれ?子猫?」
「みー」
「あぁ駄目だよ行っちゃ…」
顔を上げてスンスン匂いを嗅いで、するする進もうとしたセレンをヘリオは慌てて抱き上げてなんとか座らせる。
元来体重の軽いセレンは簡単に持ち上がった。
「ミー」
と、手の間をすり抜けてそのままペタンと丸まってしまった。
「…」
__カシャ
「こらキング!?撮影禁止だからね!?」
「よっしゃ待ち受けにしよう…」
「やめてあげて!?」
「魔界に大流出させてやろう…」
「お願いだからやめよう!?そういう陰湿ないじめ!」
「陰湿じゃない。いじめでも多分ない」
「多分って!!多分って!?」
キースが必死でキングを取り押さえにかかった。
「ほらこっちむきなぁセレン?」
「ミィミ?」
__カシャ
正面からの撮影にセレンは驚いたらしく、大きくミャアと鳴いてポテッと潰れた。
「…う…俺は何を…頭が…」
と、セレンは頭を触って慌ててそれを引っ張った。
「ねこ…何で…」
猫耳をぶら下げたセレンは、無表情にそれをゆらゆら振った。
「かわいかったぜセレン」
「ごめんね、ご馳走さま」
「ご馳走さま、セレン」
「セレンお兄ちゃんさいこー」
「セレン最高、ご馳走さま」
「…」
セレンは首をかしげて、静かに呟いた。
「俺の何を食べたんだ…」