☆Friend&ship☆-妖精の探し人-
「…で、俺は多大なる迷惑をかけたということか…」
「ううん、そこじゃないよセレン!気にしてほしいとこそこじゃないから!」
「…短剣を振りかざすなんて…」
「だから違うってばそこじゃないよ!」
無表情で無茶苦茶落ち込んでいるセレンにキースが必死で話しかける。
「反省じゃなくて照れろよ、つか恥ずかしがれよ!!」
「恥ずかしいと思っている…短剣を振りかざすなんて…」
「だからちげーよ!!」
「手を、手を上げたなんて…」
「黙れ馬鹿」
どうやらセレンは違うところで動揺しているらしい。
一同としてはミィミィ言っていたことを伝えてセレンが真っ赤になるところを見たかったのだが、その手前で落ち込んでしまった。
「つか、嫌じゃないのかよ。ミィミィ言ってるところをまじまじと見られておいて…」
「…別にどうでもいい。それよりご無事ですか…怪我とかは、どうしよう…」
「するかボケ」
ヘリオはため息をついて軽く人差し指でセレンの額を弾いた。
「…」
「そのあとの癒しタイムが幸せだった…」
「…癒しタイム」
一体何で癒されたのだろうか。
肉球でもふにふにしたのだろうか。
毛皮をもふもふするのだろうか。
セレンは微妙にずれたことを考えていた。
「そういやウィング、シルンはどうしたよ」
「あ…忘れてた」
「おい、もともとそれが目的でお前をだな」
「はいはいわーったよ」
「…いい、俺が連れてくるから…ついでに水晶の加工の続きもしてくる」
「よっ、さすが宝石商の一族だなぁ」
「…」
何が、と言わんばかりの無表情。
「…お願い睨まないで」
「見てるだけ」
セレンは踵を返して居なくなった。