☆Friend&ship☆-妖精の探し人-
二章 奇跡の妖精
それは出会いと
「ふーふーふふふーふー♪」
「ご機嫌ね、船長さん」
「あいらぶゆうーきみーにであえてーぼくはーしーあわーせー♪」
「ねえマジキモいからやめて」
シルバーレインボー…通称シルンが投げたナイフがグサッと心臓に刺さった。
そのまま木の上にいた金髪の船長は落下。
どっかーんと派手な音と共にああ、と悲鳴を上げる。
「おい、どうした。何があったんだ…」
「大丈夫だよセレン!船長死んだだけ!」
窓を拭いていた脚立の上の美少年、セレンにそう叫ぶと、シルンはやれやれと首を振る。
「またクレーター空けたのか…キースが悲しむぞ…」
早く蘇生させてくれ、とセレンはシルンを急かした。
「死因はなんだ」
「んーと、多分私のナイフかな…あーでも落ちたとき悲鳴あげてたか」
「船長にナイフ投げたのか」
「うん。だってセレンの写真抱きしめててキモかった」
「キモいからって人を殺すなシルン。乱暴な奴だな」
「今度からお皿投げる!」
「…」
セレンは手早く脚立を畳むと、船長の元へと走った。
「セレンって真面目…」
ひっくり返って白目を向いている船長の脈をとって、セレンはユサユサ船長を揺さぶった。
「起きて下さい、ヘリオ様…」