☆Friend&ship☆-妖精の探し人-
「シルン」
「あ、セレン。幽霊いた!?」
「…それより、船内に戻れ。もうじき気温が上がる…恒星の近くを通るんだ」
セレンは腰かけずそういって、シルンの腕を掴んだ。
シルンは抵抗せず大人しく船内へ入る。
セレンはそのまま地下へ連れていこうとしたのだが、余計なお節介に捕まった。
「はは、デート?」
「楽しめよ~♪報告なんか待ってねーから」
「…楽しむか」
「初キスの思い出語れよ~♪」
「…」
「頑張れシルーン」
「お幸せに!」
「ちょっと、からかうのは良くないよ…」
キースが遠慮がちに言ったが、他三人は聞く様子はない。
「いいじゃん、セレンラブラブー」
「おめでとー初密室デート」
「シルン頑張れよぉ~♪」
シルンが真っ赤なトマトのようになりかけたので、セレンは強行突破で階段に走った。
「じゃあなー♪お二人さーん!」
ヘリオは、そう叫んだ。
「うるさい!もう、船長酷いっ!」
シルンが、一瞬振り返って叫ぶ。
怒っているわりには、酷く明るい笑顔で。
「…」
セレンはそれを一瞬見て、シルンと共に走り去った。