☆Friend&ship☆-妖精の探し人-
ドシュ、と顎を砕いたような感触と共に足を止め、倒れる相手の鳩尾に拳を入れる。
「お前、鎌で戦うんじゃないのかよ!」
ウィングの鎖が真後ろの剣を弾いたようで、衝撃にキングは瞬いた。
「うっせ、あんなの持って生活できるかよ!5kgあるんだぞ!」
「なんで軽量化しねーんだよ!?」
「でかいんだよあの鎌はっ!」
キングは正面の相手の脊髄を叩き折り、背後の剣を蹴りあげる。
右手に反転して突かれた槍をかわしつつ、それをつかんで槍手ごと引き寄せ地面に叩きつけた。
「余所見すんなキング!」
頭上に爆風が吹いて、どうやら氷塊を吹き飛ばしたらしい。
「さんきゅな!」
あの氷軍をどうにかしねえと、そう思ってウィングは辺りに目を走らせつつ飛び上がった。
途端に放たれた銃弾を風の壁で遮ると、数人ずつのグループを見つけ、そこに向かって鎖を降り下ろす。
悲鳴と土煙が上がって、風と共に駆けながらウィングはさらに追撃をかける。
「馬鹿なに的になってるんだよ!」
「ちゃんと防御してるって!」
「馬鹿!魔法は氷だけじゃないんだぞ!」
「大丈夫だって!」
さらに飛び上がり、派手に土煙をあげつつ高笑いして、ウィングは一直線に地面に突っ込んだ。
「よせ!そんな上から!」
そんな声が聞こえた気がしたが、その頃にはもう、待ち構えていた三角が目の前に迫っていた。
「ウィング!」
途端に大爆発が起こったが、キングの叫びは負けじと響きわたった。
「ウィング!?おい、ウィング!!!」
キングは倒れたウィングを揺さぶったが焼け焦げた服に、チリチリになった銀髪はぐったりとして動くことはなかった。