☆Friend&ship☆-妖精の探し人-
噛みきったギリシアの舌を吐き出して、セレンは泣いた。
「ギリシア…」
長い間を一緒に過ごした人。
あの笑ったときの笑顔が好きだった。
それが兄弟愛だとしても。
ギリシアは大切で。
「ギリシア、ギリシア…」
自分を、好きだと言ってくれた人。
持ち上げれば崩れてしまうほどの腐敗に、セレンは泣いた。
あぁ、あんなに綺麗な瞳すらもう原形をとどめていない。
それでも重い体を引きずって、ふらふらと立ち上がり地上へ出ようと開いた階段の扉に近づく。
セレンは扉をくぐり、階段の一段目に足をのせた。
「…!」
バタリと。
突然抵抗のすべもなく倒れて、セレンはそれが一瞬なぜか分からなかった。
そして襲ってきた睡魔に全てを理解したセレンは攻撃系魔法で階段の最上段を吹き飛ばした。
「クラウン…様」
あぁ、眠い。
勝てそうにもない強すぎる睡魔に早々に白旗を上げて、セレンは目を閉じて。
美しくも心臓と共に眠りに堕ちた。