☆Friend&ship☆-妖精の探し人-
「おーみーごーとー」
ニィ、と笑んだ少年は、黒い翼を隠そうともしなかった。
「ここまでとは思ってなかった、ほとんど当たってるじゃないか」
「…」
「ねえ、そうおもわない?」
鮮やかな金髪に、漆黒の瞳。
侵されたような闇が顔の右半分を飲み込んでいた。
「でも僕はかくれんぼする気なんて毛頭ないよ、正々堂々戦うつもり」
「…だれだよ」
「無いよ?聞きたいなら教えたげるけどさ、2番って名前カナ?偽善者さん」
「…っ」
「僕は全てを知ってるんだよね?君は何にも知らないでしょ?知ろうともしなかったでしょ?あの地下牢で飼育されてた可哀想なモルモット達なんてなぁ?」
「…」
「死ぬほど辛い実験を死ぬほど受けさせられてさ、自殺防止のいろーんな機械を身体中に繋がれてさ」
「…」
「僕の双子の妹はね、あいつらの傀儡になっちゃったんだ。それから数日後に妹は死んだんだ。何故だか知ってる?」
狂ったような笑顔で笑いながら、少年はゆっくりとヘリオに近づいた。
「宮殿で育った君に分かるかな?奴等の目がどれほど軽蔑的か。僕は実験動物以外の何物でもなかったんだ」
「…」
「先に壊れた妹のかわりに、僕が実験動物になってからというもの、僕は憎み続けた。僕らの仲間入りを永遠にしない御娘と、妹を殺した死神をなあ…」
まずは元気のいい方からいこうか、と唇をなめて少年は笑った。
「僕は成功だよ、死神を殺す力を手に入れたんだから…」
揺らめく死の気配に、ヘリオは迷いなく魔法を解き放った。