☆Friend&ship☆-妖精の探し人-
「…滞在…?」
「はい、そうです。Nが見てくれるならL君が助かる確率は飛躍的に上がりました」
ゼロは、首をかしげるウィングにそういった。
「私の処刑も延びそうです」
「いやそれは悲報だわ」
「…ものすごく傷つくんですが私はあなたに何かしましたかキングさん…」
辛そうにゼロが言った。
「お前の場合存在がすでに害虫未満」
「…L君だったら今の一言で泣き出します」
ゼロはそういって、とにかく、と仕切り直していった。
「この建物から基本的には出ないでください、ここは完全なプライベートマンションですからあなた方も隠し通せます…悪魔でもないのにこの研究所にいることがばれたら私の首だけではすみません」
「だからお前の首はどうでもいいって」
「…私にとっては結構重要だったりするんですが」
「分かった分かった、で、ここから出ないんだろ?それだけ?」
「騒がないでください、それとこのマンションには当然大量の動物がいます…彼らは私以外には非常にフレンドリーなので踏まないようにしてください」
「…うん、ゼロ、そんなに落ち込まないで。僕もキングは酷いと思うよ」
キースが優しく声をかけたが、ゼロは一度目をこすっただけだった。
「…また寝不足が続きそうです」
かり、と親指の爪をかみちぎってくぐもった声でゼロは踵を返しつつ言った。
「ついて来てください、部屋にご案内します」
「いいや、お前と同じ空間にこれ以上居たくない」
「…L君でなくとも気の弱い子なら泣きますよ」
「うん、ゼロ僕もそう思うよ。キングもうやめてあげて。セレンでたまった憂さをゼロで晴らさないで」
「いいだろ、船長も唯一こいつだけは殺していいよーって言ってるし」
「…」
「ちょっとキング!!」
キースがとがめたが、そのころにはもうゼロはいなくなっていた。