☆Friend&ship☆-妖精の探し人-
「なるほど」
ゼロは考え深げに呟いた。
「魔界のことだし、神界のスキャンダルはゲットするだろ?」
もう一人の兄弟説、ある?
「…もう一人のではありませんがあります」
夕闇は赤くそして暗い。
ヘリオはふてくされたようにキングにもたれかかって膨れている。
キングの笑いながらの問いかけに、ゼロは少し考えて言った。
「死を操る子供を作ろうとしている事は前々から噂されていたことです、キングさん」
「前々から?」
「最も、目的は分かっていませんが。生まれた筈の少年が消えた事件はその実験の成功ともとられていましたから」
「俺のコト?」
「はい」
揺れるのは人工キャンドルライト。
愉しげにキングは微笑んだ。
「なーる」
「…」
ヘリオは一瞬キングを睨んだ。
口の中で何が楽しいと呟くと勝手な涙が溢れてきた。
「どした?」
「…だって…もうすぐ…キング死んじゃうし…っ俺、も…」
「おいおい、泣くなよ、そんなことで。セレンちゃんがいるだろ?」
「なんで生き返るって分かるんだよ!」
「あいつが死ぬわけないから。以上」
キングは強制的に会話を打ち切ってしまうとゼロに向き直った。
「じゃあ、ゆうこと聞かなかった俺は失敗作な訳だ。となると二番君の妹ちゃんも失敗だったのかな」
傀儡ってのが何処までか分かんないけど、とキングは言った。
「だと、思います…」
「何で?」
「…いえ、なんとなくですが」
「ふぅん」
まともな情報がないなとキングは笑いながら言う。
「ま、ありがとさん」
「待って下さい」
「…?」
「L君のための妖精探し、私も連れていっていただけませんか」
「…いーよ」
「置いていかないで下さいね、いいですか?嫌がらせとかなしですよ?」
「…しない」
ヘリオは呟いて立ち止まった。
「ヘリオさん」
ゼロは溜め息をつく。
「…信じますからそんな目で私を見ないで下さい」