☆Friend&ship☆-妖精の探し人-

「…ねえ、あれって俺の幻覚かなぁ?」

「そうじゃない?」

「いやちょっと確認してくれよ!舟だよ舟!ちっちゃい舟!」

「あーあるよ。よかったね目はまだイカれてないみたいだよ」

「まだ」

「おいそこ!まだを強調すんな!」

ヘリオはキースの後ろ楯と共に階段をかけ上る。

あの大樹の中の階段だ。

操縦室は不安定な機械に埋め尽くされ、ヘリオはそれらを操って小さな舟へと近づいていった。

「ん…?男の子…?」

甲板に倒れていた男の子の姿を認めると、ヘリオはそのまま舟を止め、右腕を伸びてきたワイヤーで釣ってそのまま見張り台へと上った。


「…んだよあいつ…」

気絶しているらしい男の子を目を細めて見つめる。

「よっ」

そのまま真空へ躍り出て、その小さな舟にヘリオは乗り移った。

< 6 / 146 >

この作品をシェア

pagetop