☆Friend&ship☆-妖精の探し人-
「…ねえ、あれって俺の幻覚かなぁ?」
「そうじゃない?」
「いやちょっと確認してくれよ!舟だよ舟!ちっちゃい舟!」
「あーあるよ。よかったね目はまだイカれてないみたいだよ」
「まだ」
「おいそこ!まだを強調すんな!」
ヘリオはキースの後ろ楯と共に階段をかけ上る。
あの大樹の中の階段だ。
操縦室は不安定な機械に埋め尽くされ、ヘリオはそれらを操って小さな舟へと近づいていった。
「ん…?男の子…?」
甲板に倒れていた男の子の姿を認めると、ヘリオはそのまま舟を止め、右腕を伸びてきたワイヤーで釣ってそのまま見張り台へと上った。
「…んだよあいつ…」
気絶しているらしい男の子を目を細めて見つめる。
「よっ」
そのまま真空へ躍り出て、その小さな舟にヘリオは乗り移った。