☆Friend&ship☆-妖精の探し人-
結果として、ヘリオの予想は半分ほど合っていた。
「あの星だよ、はい着陸準備!」
「あの星?え?」
約三時間後、ウィングがヘロヘロになってぶっ倒れたのがちょうど1時間前だ。
「彼処に妖精がいる。奇跡の妖精が」
そこは小さな星で、町が1つあるだけのこじんまりとした平和な惑星だ。
セレンならばそっぽを向いて通りすぎるような、どこにでもありふれた星。
海はなく、無数の細く急な川が幅の広い河に合流している湖がある。
町は島のように、その湖に浮くドーナツ形の諸島の中に空いたラグーンに浮かんでいる。
立派な城を構える王国で、王がそのまま政治を行う社会主義国家。
「国民は幸せらしいぜ、世論によれば」
ヘリオはそう独り言のようにそういって、クルッと此方を向いた。
「諸君!さあ妖精捕獲大作戦、決行だ!」
希望に満ちたその笑みは、どこまでも澄みきっていた。