☆Friend&ship☆-妖精の探し人-



「…」


深い夜。

月を失った星たちが、紅く輝く空。


四角く切り取られた宇宙に、世界が吸い込まれていく錯覚を覚え身動ぎすると。

ふと足元に重みを感じてそちらを見た。



「…ん…セレン…」




「…」



世界は今日も静かだ。

月夜の蝶は美しく。

闇夜に星は良く映える。


「…」



降る星光に押されて上体を起こすと、重みがもぞもぞと動いた。



「…ん…セレン…?」




美しい金色の瞳はこれ以上ないほど見開かれ、喜びに歪んだ。


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