☆Friend&ship☆-妖精の探し人-
「きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」
「おい!?」
バスルームから響く悲鳴にウィングは飛び上がった。
一瞬躊躇したものの、ウィングは緊急事態と諦めてガラスの扉を開けた。
「…何で…こっちは一応男しかダメなはずなんだが…俺が間違えたのか…ああ、そうなんだな悪かった」
「わぁ、ここ混浴のお風呂なんですね!!」
「…アクア様」
「びっくりしちゃいました!てへっ」
「…」
てへじゃねーよ。
セレンは心の中で本気でツッコミながらブクブクとお湯に沈んだ。
「…アクア様、バスタオル位巻いたらどうですか」
「えー」
「…」
紳士的に顔を背けつつ、セレンはつぶやいたが遠慮無くアクアは適当にシャワーを浴びてジャボンと飛び込んだ。
「う…」
「よくよく見ると美しい顔たちをされていますね。私イケメンの方好きです」
「…」
「あ、なんで逃げるんですか?」
「…」
「待ってくださいよー!」
待ちませんよと言わんばかりに急ぎ湯船から飛び出すと、セレンは素早く体を拭いて脱衣所に滑り込んで数秒後に籠を放り出した。
「それもってってください」
アクアはこてんと首をかしげてそれを手に取る。
「ついでに背後の血だるまどうにかしていってくださいアクア様」
振り返ると、真っ赤な鮮血が広がっていた。