☆Friend&ship☆-妖精の探し人-
「セレンちゃんとっても可愛いからきっと助けに来てくれるよ?助けてぇって言ってみたら?可愛いセレンちゃん?」
「…俺は…女じゃ…」
「女じゃなに?あれれぇ、セレンちゃん女の子じゃないのぉ?男の子だったんだぁ」
「…」
ほら、やっぱり来た。
セレンは知らない間に歯を食い縛っていた自分に気がついた。
「…」
「ごめんね、セレンちゃん女の子じゃないんだったね?男の子にしてはプライドないから女の子だと思っちゃった」
それは違う。
女にだってプライドはあると思う。
「でも男の子なのにさぁ?恥ずかしくないのかな?こんなことずーっとされてていいのかな?」
「…」
「こんな座り方恥ずかしくない?だって女の子じゃないんだったよねぇ?」
先程セレンは辛いだろうから姿勢崩してと言われて強制的にお姉さん座りをさせられたのだ。
おまけに何故かメイド服と猫耳と尻尾をつけられた。
平然とすればするほど変に思えてくる。
視界に入るフリルのスカートが嫌でも屈辱的な格好を彷彿とさせる。
セレンは少しずつ確実に追いつめられていった。
「ああ、例え出してもらったとしても服は着替えるなよ?サインするまでずっとな?」
「…」
セレンにはじわじわと塞がれていく逃げ道が目の前に見えるようだった。
「ああ、鏡持ってきてあげよっか?お化粧したいでしょ?」
したくないし自分の姿を見たくもなかったがキングに見せつけられた姿見にはどこまでもアンバランスな自分が映っていて。
耐えきれずにセレンは震えながら下を向いた。