☆Friend&ship☆-妖精の探し人-
「な、なぁアクアちゃん」
「なんです?」
「あ、あのさ…俺…えっと…」
「?」
アクアは首をかしげてウィングを見つめる。
ウィングは真っ赤になりつつ口ごもった。
「…あ、そう!本とか…あんまりよまねーからさ俺…教えてほしいんだ!」
アクアは首をかしげてにこっと笑った。
「いいですよ。でも私教えるの苦手なんですよ…へへへ」
構いませんか、微笑むアクアにウィングは頷いた。
「な、お願い!」
「はい!じゃあまずこれなんですけど…」
「ちょっと待って、もうちょっと絵が多いやつで頼む」
「えー何でですかぁ…ま、いいです!」
アクアはキラキラ笑って、席を立った。
「とりあえず児童書位から手を付けませんか?」
「児童書?さすがに絵本とかは…」
ウィングは言いかけたが、アクアはにっとしてウィングをさえぎった。
「児童書って、子供が楽しめるってだけで別に全年齢楽しめるのもたくさんあるんですよ。実際そこから読み始めるほうが抵抗ないと思います」
「へぇ」
「読書にはコツがあるんです、初心者はテクニカルな文学物より単純に楽しめる児童書の方がいいですよ。あんまり深くないっていうのも違うんですけど、分かりやすい…って感じですか」
アクアはそう言って、てくてく歩きだした。
「慣れてきたらある程度厚みがあっても…あ、ページじゃないですよ、物語にです…ちょっとずつ楽しめます。中には児童書でも結構深いのもありますしね」
「そっか、俺参考書は読むんだけどさ…全部説明されてねーと分かんねーんだよな。抽象的な感じが苦手っつーか…」
「大丈夫ですよ。っていうか、参考書って…逆にすごいんですけど。ウィングさんなんかチャラいから漫画タイプかと思ってました」
アクアは冗談っぽく言った。
「チャラいって、おい。酷いじゃねーか…」
「あはは、ごめんなさい。私の中の何かがウィングさんは虐げてokっていう許可を出しました」
「やめろってば…アクア」
さっと顔を赤らめたウィングを気にすることはなく、アクアは本を手に取った。
「やっぱしフィクションがいいですよねぇ…どうですか、ウィングさん?」
「…」
ウィングは軽く笑いつつ。
「絵が多い方!」
「だめですよウィングさん!!本の選び方は構成じゃなくて中身です!!」
「じゃあ任せるよアクアちゃんに」
にっこり笑いあって、楽しそうな二人。
「…」
「どうかしましたか?」
「ちょっと、興味があるんだ」
「…はい?」
ゼロはセレンの視線の先を追いかけた。
「…リスも飼うんですか…?」