悲しみに、こんにちは

「ユズ〜、おかえり〜」


職員室から戻った私を待っていたのはラブちゃんの質問攻めだ


「何やらかしたのー?心配したよん」


嘘っぱちめ、
心配してないだろうよ、ラブちゃんめ


「……髪、戻せって……」

「まあ、なんだぁ、相沢君のことかと思ったのになあ」


机から教科書をリュックに詰めるラブちゃんが言う



「なんで、相沢君が出てくるの?」


「知らないの?今噂になってるよ?」


「なんのこと?」


「相沢君、ユズキと別れて、野球部のマネージャーと付き合ったみたいよ、あんた捨てて」


「……私、捨てられたの……?」



「……それはユズキが一番知ってるんじゃない?」



彼は確か、恋に落ちたと言った
そうか、あれは私を捨てたのか


なんでだろう、イライラするなあ
別に彼のことなんか好きでもなんでも無かったけど……なんでだろ?


「ねえ、ラブちゃん?スタバいかない?抹茶フラペ飲みたい!」



行くーと勢いよく返事をした彼女は
急いでリュックのチャクを閉める


こういう彼女の性格を私は結構気に入ってる

基本、調子が良くてすぐ忘れる
あまり興味がないのかも……
まあ、私としてはどっちでも構わない

まずは、スタバだ。
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