悲しみに、こんにちは
『もしもし』
LINE電話を使ったのは初めてだ
なんだろう?明日当たるから宿題見せろとかかな?
『どうしたの、ラブちゃん?電話なんかして』
『あー、うん。なんかあんたの声が聞きたくなって?』
『……はあ?毎日会ってるじゃん、何を今更』
『…………』
『なんだよう』
『ユズ、今日ね……私、見ちゃったの』
あー、そっか。
あの夜から2週間が経った。
私は誰にもハル君に彼女が出来たことを言わなかった
でも、狭い街だ
いつかはこうなるのだ
『うん、私、知ってるの……ハル君からね、直接聞いたの』
あの夜、お風呂上がりの私がスマホ
を見たら、ハル君からLINEが来てた
素っ気ない一言にVサインがついていた
ああ、そうか
彼は私を地獄に落とすその大事な一言を
LINEの一文で済ませるんだ
私はその程度の女だった