恋愛成就
あれから自分に何が出来るのかと考えてきた。先生達に恩返し、紗姫への感謝、昌希くんへの感謝…で、決めたものはお菓子をあげる。お菓子を作っていて焼けるのを待っていた時だった

『愛麗ー!』
『…紗姫?どしたの?』
『…明日だね。』
『3年間…ありがとね、紗姫。3年間もクラス一緒とか運命だよ!((笑』
『うん…そ、だよ…ね。』
『泣いてるの?…近くに昌希くんいる?』

受話器の向こう側から聞こえた声。間違いなく昌希くんだ。

『代わったよ…あいちゃん、紗姫を泣かせんなや((笑』
『お礼言っただけなんだけどなぁ。』
『紗姫はね、最近ずっと夜なくんだよ…電話越しに。だから今日はついていてやってんだけど。寂しいんだよ。』
『それは、私も同じ。2人と離れるなんて考えたことなかったもん。ありがとう。昌希くんも』

電話を切るタイミングとケーキの焼けるタイミングが同じで少し笑ってしまった。

「…今まで、ありがとう」

ひとつひとつ、感謝しながら包んでいった

「よし、できた。」

完成した頃には…もう、24:38とデジタル時計は示していた。明日に備えなきゃ、私はベットへと入り眠りについた。
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