恋愛成就
「…619号室と620号室です。」

「じゃ、また支度して夕飯の時間まで自由だから。またあとでな。」

蓮琉さんに手を引かれ部屋へと入る。
…沈黙。

「なぁ…愛麗、お前の20歳の誕生日に襲っていい?」

「はい!?…何言って」

「…大人、になるまで。俺は待つからその御褒美!!!」

私は答える代わりに頷いた。
そしたら、蓮琉さんは私を強く抱きしめてくれた。耳元で聞こえた声は顔を見なくてもわかるくらい
…嬉しそうだった。

「…あの、そろそろ離してもらえます?」

「…あと少し、こうさせて?」

…そんな可愛く言わないでください。
ますます、好きになる。
蓮琉さんが大好きになるんだ。

「…最近、何で俺がお前と暮らしてるか、聞いたよな。」

「うん」

「…俺はお前と居たい。でも…それ以上にお前が心配なんだ愛麗。」

「…蓮琉さん」

「あの…さ、ほんとなら…もっとかっこいいって言って欲しいと思う。でも…俺にはそんなの出来ないからこれが精一杯。」

「…うん。それ以上いらないよ…嬉しい。」

蓮琉さんの優しさ…充分伝わったよ。
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