恋愛成就

アイツの存在 side蓮琉

俺は、愛麗の居なくなった部屋で…
呆然と立ち尽くしていた。

「蓮琉、何なの?今の。愛麗ちゃん出てっちゃったみたいだけど…あんたのせい?」

「…年下に、なんてことをしたのかな。」

「…愛麗ちゃん、忘れ物してる。渡しに行ってきな。
それに、幼馴染みだっけ?危なそうなヤツ彷徨いてるかもよ。蓮琉、行ってこい」

「姉貴…あぁ。行ってくる」

俺は、急いで…あいつのあとを追いかけた。
ただ、翔惟と会っているなんて予想もしていなかったんだ。

「…どこだよ。あいりー!…愛麗、ど…k」

『七彩さん、さようなら』

…は?何、言ってくれちゃってんの?

「待て!…愛麗から、離れろ。早く」

「あーあ、来ちゃった。失敗!…次は、成功させるからね…その時まで待っててね」

不気味な笑顔で去っていく…
翔惟が握っていたのは…小さな果物ナイフだった。

「…あいりっ!?」

「こわかっ…た。蓮琉、さん…」

ぎゅっと、俺の腕を掴んでるその手は震えていた。
怖い思いはさせないと…誓ったのに。

「とりあえず、ベンチで座ろうか。」
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