恋愛成就
「名前、ですか。」

「この間、聞き忘れたし。教えてよ」

…言ってなかったねそういえば。
あれから約1週間?
結構佐久間さんのこと考えちゃったんだ。
だから、なんか…


「教えてくれないの?」

…言っていいのかな。

「七彩愛麗…です」

「可愛い名前じゃん。」

やっぱり、軽いこの人は。
神主…だよね。ここの。
どうして、らしくないわけ?
とっても不思議なんですけど。

「さ、佐久間さんは…どうして、神主に?」

「気になるんだ」

「違います、らしくないから」

「親父が…元々ここの神主でさ。体調崩して…入院中
だから、代わりに俺がね」

そうだったんだ。
やらなそうな人なのに。逆だな。
そういうことを率先してやれるのは凄いなぁ
…ちょっとまて、なんで尊敬し始めた?
間違ってるって。

「君、琶釆高校だよね?」

「あ、はい。」

「俺、そこの卒業生。母校なんだよね」

…え?
ほんと?…そんなに頭がいいとは思えないけど
見た目で判断してはいけないんだなぁ
卒業生かぁ…ってことは間接的に先輩なんだ。

「今、何年?」

「2年です。」

「あー…一番大変な時期だ」

「だからなんですか?」

佐久間さんは、少し間をおき…
ゆっくりと口を開いた。

「だって、進路をあーしろとか…言われるでしょ。」

「…あなたに関係ありません」

「はぁ…ドライだね。でも先輩からの話聞くのもありだと思うけど」

そうかもしれないけどね…
話していくうちに、悪い人ではないと分かった。
少し、楽しいと感じることが出来た。
テスト期間が入るからしばらくはここに…
来れないなぁ。
いや、来なくていいんだよね。うん
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