嘘から始まる恋だった
高貴のつぶやき
愛しい女を抱きしめて寝ていると聞こえてくるけたたましい泣き声に目が覚めた。
まだ、麗奈は気づいていない。
3〜4時間おきに交互に泣かれ疲れているようだ。
彼女を起こさないように抱きしめている腕をそっと抜き軋むベッドも極力軋まないように体を起して双子の元に…
我が息子 蓮の夜泣きだった。
生後4ヶ月の息子を抱き起しても泣き止まないのでオムツの匂いを嗅いだ。
ウッ…臭い
新しいオムツに取り替えればご機嫌の様子。
手を伸ばし俺を見ているから俺の人差し指を握らせるとキャッキャと楽しそうにしている。
泣き止まない時は、憎らしい小悪魔な息子もこうして遊んでいるのを見ていると仕事の疲れも癒される。
しばらく、蓮と遊んでいると隣のベビーベッドで寝ていた娘 華が目を覚ましたようだ。
華は、蓮と瓜二つなのに性格はおとなしく泣き方も可愛らしい。
あっ〜こっちも起きたか…
蓮に人差し指を握らせ俺は華のオムツの匂いを嗅いだ。
こっちはオムツの気持ち悪さに起きた訳じゃないらしい。
ヨシヨシと体をポンポンと優しく叩きなだめれば泣き止む華。
その代わり自分の拳を口に含みチュパチュパとしゃぶり出した。
てことは…お腹が空いたのか⁈
麗奈はまだ寝ている様子に少しでも寝かせてあげたいと思い、俺は蓮華を両手に抱え寝室を出た。
リビングに引いてある子ども布団に2人を寝かせ、俺はキッチンで2人分のミルクを作る。
母乳で育てたい麗奈は、しばらく頑張っていたが交互に泣かれ疲れていた。
代われるものなら代わってあげたいが、おれから母乳が出る訳じゃないから混合ミルクにしようと麗奈に提案。
そうすれば、少しは楽になるだろうと…
だけど、本当の理由は麗奈の腕の中で母乳を飲む2人を独占している麗奈にちょっと嫉妬していたりする。
俺だって子ども達のあの笑顔を独占したいんだ。
こうして麗奈に変わり、天使の笑顔を見ることができる。
飲み終わった時の幸せそうに微笑む子ども達の笑顔にキュンキュンする。
かわいい…
交互にゲップを出さして蓮華を両脇に抱えてソファに寄りかかる。
スゥットをヨダレで汚されても構わない。
2人は、お互いの足が邪魔なのか蹴り合いみたいなことをして遊んでいる。
蓮が一方的だが…
腕の中での幸せの一コマ
お腹が膨れて少し運動して疲れたのか2人の瞼が閉じていく。