嘘から始まる恋だった
おれは、2人を起こさない為にその場で固まる。
ずっしりと腕に重みがかかる。
落とさないように深くソファに寄りかかり、2人の体を胸に寄せ子ども達の体重を乗せた。
動けない。
どうしたものか⁈
カーテンの隙間から朝陽が差し込み出し俺の瞼も重くなる。
何度も寝落ちしそうになり、首を左右に振って眠気を飛ばし耐えていたがとうとう寝落ちしていたらしい。
腕にかかる重みが軽くなる…
まさか、落としてしまったのかとふっと目が覚めると目の前に優しく微笑む麗奈。
『ありがとう』とつぶやき唇に触れるだけのキスをくれる。
子ども達はと目で聞くと、布団ですやすやと眠る我が子達を指指した。
2人寄り添う天使の寝顔をいつまで見ていたら俺の肩に重みがかかり、腕に巻きつく彼女の腕とふわっと香る麗奈の香り。
少し拗ねた声で
『私もかまって…』
唇を尖らせ、すり寄ってくるから可愛くてしかたない。
彼女の頬に手を添えて、重ねる唇。
お互いに啄むキスを繰り返し、気持ち的にそろそろいいかなって思い深いキスをし舌を絡ませ盛り上がってくる体は熱を持ち吐息は甘く熱くなる。
その時…
また、けたたましく泣く声にビクッと体が揺れお互いに固まる。
あーーー
せっかくのチャンスが…
顔に出ていたのか麗奈は俺の唇にチュッとキスを落として邪魔をした蓮の元へ。
本当にこいつは、憎たらしい。
麗奈に抱かれ泣き止むとすやすやと腕の中で再び眠りについた。
絶対、わざとだ。
まだ、何もわからない未満児に苛立つが寝顔をのぞけば天使だ。
憎らしい蓮の頬を突っつき苦笑するしかない。
華はオムツが気持ち悪いのか足をバタつかせ泣き始めた。
麗奈が蓮をおろそうとすると蓮はぐずり泣きだす。
俺は、麗奈の代わりに華のオムツを交換して腕に抱くとすぐにすやすやと眠る華。
チュッと唇を重ね、クスッと2人で子どもたちの寝顔に幸せを感じ微笑んで俺たちはソファに座り、子ども達が目覚めるまで、もうしばらくこのまま…
寄り添い、幸せを感じていた。
あぁ…
いつになったら麗奈と肌を重ねられるのかなぁ。
心の底で独りごちる俺だった。