嘘から始まる恋だった
女からラーメンがいいと言われたことなんてない俺の答えたセリフが気に入らなかった麗奈は機嫌が悪くなる。
『どんな女と付き合ってたのよ』
と言いヘソを曲げる彼女は、俺の付き合ってきた女達に嫉妬してくれている。
嬉しくて頬が緩んでいくのに…
そうじゃないと言い訳しだす姿にイラっとくる俺。
俺を好きだと素直に認めれよ。
どうすれば認める?
こんなにわかりやすく愛情表現しているのに…なぜ、俺に堕ちてこない。
『……麗奈。俺がお前を好きだって言ったら信じるか?』
問いかけるように彼女に言えば、麗奈は頬を染める。
信じられないのか信じたくないのか?
首を振る彼女に…
『だよなぁ…信じさせるにはどうしたらいい?』
言葉を詰まらせる麗奈に…
『いくらお互いの為に手を結んだ相手だからといっても、好きでもない女を守りたいと思うか?』
瞬きすることも忘れ、ジッと見つめてくる。
『なら、好きでもない女の為に世話を焼くと思うか?』
一生懸命、言い訳を探し俺の問いに違う答えを出そうとする麗奈。
焦れったくて…とうとう俺は
『…欺く為だけでいいならこうして一緒に住む必要なんてない。守りたいからとか欺く為だとか言ってるのはお前の側にいたい言い訳だ』
隠していた本心を伝えていた。
それなのに…
『…私にまでウソつく必要なんてないのに…』
こんなに切実に思いを伝えているのに、お前は嘘だと言うのか?
なら、麗奈…
お前はどうなんだ⁈
『……嘘⁈それはお前のことだろう…自分の心に気づいているくせに欺いて逃げようとするのはどうしてなんだ』
胸の奥に隠している何かが、彼女を繋ぎとめている…
それが何なのか?
『なら…そのまま欺いていればいい』
真実を言える日が来るまで待つさ。
『だが、俺はお前を好きだ…麗奈…人前だろうがどこだろうが俺は、遠慮なくお前にキスするし、抱きしめる。こんなふうにな…』
彼女の顎を捉え唇を塞いだ。
先ほどの触れたかわからないキスと違い
触れた唇は、思っていた以上に柔らかく、弾力のある唇に夢中になり離せなくて何度も食み、軽く噛めば痛みに唇を開く彼女は色っぽく吐息をもらす。
止まらない欲情に負け、その先にある舌先を絡めると疼く体に電気が走ったような感覚。
受け入れてくれる彼女と深めていくキスは極上の蜜の味がした。