嘘から始まる恋だった

「ドキドキしてるでしょう?」

「……お前は…この手が他の男の手だったら同じことするのか?」

グニュっと胸を握られる。

ぞくっと体を走る甘い疼きに、腰が動いていた。

「……しない」

勝ち誇るように笑みを浮かべた男。

「当たり前だ。そんなこと許さないからな…」

離れた男の手が私のおでこをデコピンして、何か握っているような動作で確かめるように指先を動かしている。

「どうしたの?」

「意外と大きかったから…感触を思い出してる」



「Cか⁈手のひらにおさまる感じが俺好みだ」

「……バカ」

目の前でやらしく繰り返される手つきに男の手を叩いていた。

「クックク…お前が触らせたんだぞ」

「そうだけど…そんなつもりでじゃないもの」

「だから…お前は無防備すぎるんだ。他の男に絶対するなよ」

鋭い視線で念を押され、頷くしかなかった。

よしと頭を撫でた男は、おでこにキスをおとして

「さて…ブランチがてら出かけるから、準備してこい」

言われるまま、出かける準備を始めた。

ーーーーーー
ーーー


高貴の車でショッピングモールへ

いらないと言っているのに、次々とお店に入っていき服を選んでいく高貴。

「もう、十分だから…それ以上買ったら出て行くよ」

ぴたっと止まる手。
効果抜群だったようで、口を歪ませしぶしぶ服を戻し始める高貴。

もっと早くに言えばよかったとショッピングバックの山を見てため息が出ていた。

そんな私の肩を抱き

「次は…下着だな」

はい⁇

「こんなに服を買ってもらったのにいいよ…」

「ダメだ。服に合わせて下着も買う。もちろん…脱がせたくなるようなやつも」

最後の言葉を意味深に耳打ちするから…

公衆の面前で顔を真っ赤にさせているに違いない私。

逃げようとするも、肩をしっかりと抱かれて逃げられないまま…ランジェリーショップへ。

恥ずかしい素振りもなくお店の中央で、私のサイズを把握した男によってカゴの中は高貴好みの下着が入っていく。

周りにいるお客の視線も気にならない男は…

「おっ…これエロい」

自分の買い物のように楽しんでいる。

「それ、無理……絶対、着ないからね」

白のレースの入ったシースルーのセットで、見えそうで見えないのが男心をくすぐるらしく、人の意見も聞かずにカゴの中に。

服同様、下着もたくさん買い込んでいったいいくら使ったのだろう?
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