嘘から始まる恋だった
湯船に浸かり、背後から抱きしめられ足の間にすっぽり収まる形で高貴の胸に頭を預けている。
男は、肩やうなじに何度もキスを落としてきて、ツンと疼く体。
「……んっ……はぁん」
脇腹を指でなぞり、胸を優しく手のひらで包むようにやわやわと揉み出す男。
「……なぁ⁈少し大きくなったんじゃないか?」
高貴の言葉にドキッとする。
「何が?」
「うん⁈この辺…」
両胸をボヨンボヨンと揺するから思わず
「ちょっ…」
体をよじり抵抗してみるけど…男の力にはかなわない。
「逃げるな…やっぱ、大きくなった。手のひらにしっくり収まってたのに…まさか…」
気づかれた?
「毎日、こうして揉んでたせいか⁈」
胸を揉みまくる手のひらと意地悪いセリフに赤面せずにいられない。
「もう…この手イヤ…」
胸を揉む手の甲をつねってやる。
「痛…怒るなよ」
「怒るわよ。何もしないから抱きしめてたいって言ったの誰よ」
「俺…だけど、明るいとこで麗奈の体見てたら…なんか色っぽいっていうか、艶っぽい……もともといい体してたんだけど、なんかうまく言えないけど吸いつきたくなる」
「なにそれ?」
「太った訳じゃないんだろうけど…全体に丸みが出てきた感じ?」
?
「それって…太ったんじゃないかって言いたいの?」
「いや…俺に抱かれるようになって体から滲み出るような色気が出てきたって…
だからね、やっぱり我慢できない」
「えっ…キャァ」
ヒョイと背後から体を持ち上げ、あぐらをかいた高貴の膝の上に横向きに抱えられる。
そして、馴染んでしまった唇が当たり前のように唇に落ちてきて、誘うように唇を食んでいく。
意地悪く唇を舐めてするっと隙間に入り歯列をノックする舌先。そうなってしまうと否応なしに開いて男の舌の侵入を許している。
深くなっていくくちづけに、自然と男の
肩にすがりつき、熱い温泉のせいなのか?それとも呼吸さえも奪うキスのせいなのか?
逆上せたようにクラつく体を湯船の外に出され板張りの床に上半身をうつ伏せに寝かされる。
冷たさが気持ちよくて…ブルッと身震いする背中に唇を這わせていく男。
そして、耳元での囁き
「ごめん…」
「……あっ…ん…ぁ……はぁ、あっ、ダメ…やぁん」
後ろから一気に繋がる男の熱に揺さぶられ、お湯が肌を弾く音、そして床に波打つように流れてくる熱いお湯が激しさを
知らしめる。