嘘から始まる恋だった

「……麗奈…はっはぁ…愛してる。必ず、幸せにするから…はぁ、ずっと側にいてくれ」

頭上から色っぽい声でつぶやかれ、別れを選んでいる私は頷くこともできない。
そんな私の体を覆うように被せてくる体。

床につく手の甲に指を絡めてきて繋ぐ手にグッと力が入るとしだいに激しさが増し、うなじに吸いつく唇。

「あっ…(痛い)」

返事をしない私に苛立ったのか……耳朶を舌先で舐めまわし艶めかしい息遣いにきゅんと奥が戦慄く。

「うっ…きつ」

そして、一気に突き上げてきて仰け反る体…

すると1番深いところに繋がり、霧がかかったように目の奥が霞み、気持ち良さに口が半開きのまま叫んでいた。

「……いぃ…もっと…はぁっ、…だ、めなの……こうき、来て…いっしょに…ヤァ…お願い……」

「もっとほしいなら…はぁっ、ずっといっしょにいるって言えよ」

「……」

焦らすように、浅いところで繋がる男が耳朶を食み、胸の先端をつま先で弾いていく。

「やぁん……あっ…いじわる」

「いじわるなのは麗奈だろ。どうして言えないんだよ」

言えないよ…

好きなのに…

あなたより家族を選んだんだもの…

「れいな…くっそ…焦らしても無理ならこうしてやる」

返事をしない私に苛立ち、一旦離れた体。そして、アッという間に上を向かされ片足を肩に担ぐとグイッと腰を打ちつけて荒々しく、…乱暴という言葉が似合う愛撫に顔をしかめるも、高貴の表情が辛そうで…私を見つめる瞳は悲しんでいるように見えた。

もしかして何か気づいている?

好きともずっといっしょにいたいとも言えない代わりに……

高貴の頬に手を伸ばし、彼の顔を捕まえて引き寄せてキスをした。

好きよ

私の高貴…愛してる。

あなたの分まで、この子を愛していく…
だから必ず、あなたの夢を叶えて…

自然と目尻を伝う涙

高貴は、唇を離し何か言いたげに私を見て、目尻を伝う涙を優しく舌で舐めとっていく。

そして、顔中至る所にキスをして優しく髪を撫で切なく微笑む。

「……いっしょにいこう」

私はコクンと頷く。

気持ちよく、2人で昇り詰めようとお互いを強く抱きしめ合い荒い息を何度も吐いて…背を床につけ空を仰いでいた。
温かな息が空中を白く浮き、空に昇っていく。

それを何も考えられない頭で手を繋ぎ、息が整うまで己の吐く白くなる息を、ただ、見ていた。

熱く火照った体が鎮まるまで…
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