そのキスで教えてほしい
「朝イチお前に会えてよかったぁー」
「湖島、背中痛いからやめろよ」
湖島さんは崎坂さんの背中をバシバシ叩いていて、気づいた湖島さんは「あ、悪い悪い」と笑顔で謝る。
「俺お前にさ、頼み事があって」
「……なに?」
崎坂さんはにこにこしている湖島さんに警戒するような声を出した。
「飲みに行こう!」
「飲みに?」
頼み事が飲みに行くことなのかと、そう言いたげに聞き返した崎坂さん。
隣で話を聞いていた私も首を傾げたくなった。
だけど湖島さんにはしっかりと意図があったらしい。
「お前の課にさ、木村さんっているじゃん?」
「ああ、いるけど」
「俺さ、彼女のこと……す、す、す……」
恥ずかしくて好きと言えないみたいで、湖島さんは一人でどもっている。
単純すぎる理由を察した私は、思わず階段を踏み外してしまうところだった。
坂崎さんは「ああ、そういうこと」と察した声を出す。
要は木村さんに近づくための場が欲しいということでしょう。
うちの課にいる木村 絵理子《きむら えりこ》さんは、今年入社した23歳。
瞳がぱっちりと丸く、ふんわりとしたボブヘアーで可愛らしい容姿をした、只今男性社員の人気を独占中の女性だ。
「湖島、背中痛いからやめろよ」
湖島さんは崎坂さんの背中をバシバシ叩いていて、気づいた湖島さんは「あ、悪い悪い」と笑顔で謝る。
「俺お前にさ、頼み事があって」
「……なに?」
崎坂さんはにこにこしている湖島さんに警戒するような声を出した。
「飲みに行こう!」
「飲みに?」
頼み事が飲みに行くことなのかと、そう言いたげに聞き返した崎坂さん。
隣で話を聞いていた私も首を傾げたくなった。
だけど湖島さんにはしっかりと意図があったらしい。
「お前の課にさ、木村さんっているじゃん?」
「ああ、いるけど」
「俺さ、彼女のこと……す、す、す……」
恥ずかしくて好きと言えないみたいで、湖島さんは一人でどもっている。
単純すぎる理由を察した私は、思わず階段を踏み外してしまうところだった。
坂崎さんは「ああ、そういうこと」と察した声を出す。
要は木村さんに近づくための場が欲しいということでしょう。
うちの課にいる木村 絵理子《きむら えりこ》さんは、今年入社した23歳。
瞳がぱっちりと丸く、ふんわりとしたボブヘアーで可愛らしい容姿をした、只今男性社員の人気を独占中の女性だ。