そのキスで教えてほしい
気づいたら、私の瞳が少し濡れていた。
涙が出るくらい、崎坂さんの言葉が嬉しかった。

「鈴沢」

崎坂さんが私の目元を指先で優しく拭い、瞼に口づけた。

「今夜、予定ないなら俺に付き合ってほしい。もっとちゃんと……キスしたい。気持ちを伝えたいんだ」


彼の甘い囁きに私は頬を赤らめながら頷いた。
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