凸凹を喰え
「そういや昨日の午後に梅さんが戻ったそうだよ」
「へえ、やっと食べ終わったんですね」
「かわいそうに」
「は? だってここから出られるんですよね。かわいそうってことはないんじゃないですか?」
「狂うよ。ここから出たら」
将兵さんはまた凸を食べ始めた。
凸は食べるとカリカリと音がする。
逆に凹はにゅっと柔らかい。
これを俺たちは食べ続けなければならない。
凹凸は拳くらいの大きさで、目の前の真っ暗い空間に横に長くランダムに並んで浮かんでいる。
いくつあるのかは想像を絶する。
なんせ横を向いても終わりがないくらいにずっと続いているからだ。